現在、コーチングをしている選手の中に小学校高学年と低学年の兄弟がいます。
その兄弟と話をしていく中で、今の学童野球の問題点が見えてきました。
中学校・高校でも野球を選んでくれる子供が1人でも増えるように改善されいていくと良いなと思います。
成長よりも勝利
兄ちゃんはピッチャーをやりたいので、たまに試合で投げさせてもらうらしいのですが、ストライクが入らないと交代させられてしまうようです。
それがわかっているので、試合ではストライクを入れようと投げています。
普段通りの投げ方ではないのでストライクも入らず、球威も落ちてしまいます。
カウントが常に悪くなり球威もないので、四死球でランナーをためてヒットで返されるという典型的なパターンでやられているそうです。
さらに肘が痛くなってしまうというオチまでついています。
そんな状況で選手は成長していきません。
勝つことで得るものはあると思います。
しかし、小学生の時は勝ちよりももっと大切なことがあるのではないでしょうか?
選手のことを考えるなら、
たとえストライクが入らなくても投げさせて
どうやったらストライクが入るようになるかを一緒に考えてみてはどうでしょうか?
自分で辿りついた答えなら忘れることはありません。
球威を保ったままなら、それだけで成長していますよね。
肘や肩が痛くなるのも理由を考えたらわかるようになるはずです。
それを改善したら、球威が上がるなんてこともよくある話ですよね。
でも選手自身が自分で辿り着かないと、また怪我してしまいます。
結局のところ、1番成長するのは選手が自分自身のことをよく知ることなのではないでしょうか?
失敗したら怒られる

弟ちゃんは、兄ちゃんの影響で野球を始めました。
何となくで始めたのかもしれませんね。
まだ低学年ということもあって、野球の楽しさをまだ知りません。
バットに当たったら嬉しいし、ボールを捕れたら嬉しい。
それくらいのレベルです。
試合でサインを見逃して怒られることが続いてしまって、試合を休みたいということがあるそうです。
低学年にそんなサインなんてあるのか?という驚きもありますが、今回は考えないことにしておきます。
怒られるのが嫌で試合を休みたい。
勿体無い話ですよね。
せっかく野球の楽しさを知ってきているところなのに、怒られるから気分が下がるなんて本当に勿体無い。
サインがあるなら、なぜサインの見逃しが起きてしまうのかを考える方が先ではないでしょうか?
サインを覚えろ。
サインはわかって当たり前。
という考え方を指導者が持っているところからズレています。
どうやったら覚えられるか
見逃してしまう原因は何か
を一緒に考えてみるところから始めていってもらいたいです。
野球の楽しさを知ってもらうことこそが、指導者の1番の仕事かもしれませんね。
多賀少年野球クラブの方針に見る新しい野球の形
全国大会上位進出チームの方針をイタリア遠征を経て、ガラッと変えた多賀少年野球クラブ。
勝利至上主義から選手の自主性を育てるチームに変えていきました。
野球界にあるいろんなものを疑い、理解できないことなら撤廃する。
子供達に整理整頓しろというのではなく、自然とカバンを並べたりするようなシステムを作るなど、様々な工夫がなされています。
まとめ
小学生を指導する上で大切なことって何ですかね。
勝つこと?
指導者のいうことを聞くこと?
野球を中学校でも続けたい!
野球楽しいなー!
って思ってもらうことや
小さいことでも良いから自分で問題解決できるようにすることではないでしょうか。
指導者が自分のストレス発散や自分の夢の続きをしてしまっていては、そんな環境にはならなさそうですね。
選手は一人ひとり目指しているところが違います。
それぞれが目標に辿り着けるように、コミュニケーションをとっていってほしいです。

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